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この町で食べておきたいこの一皿(門前仲町)
甘味処 いり江

甘味処 いり江

Photo/Saori Kojima
Text/Aki Kotake(Pea Green)

時代を経ても変わらない こだわりがギュッと詰まった 看板メニューのあんみつ

 門前仲町に住む地元の江戸っ子だけでなく、富岡八幡宮や深川不動尊の参拝客が足繁く通う『甘味処 いり江』。昭和45年に創業し、店名に「沖に出た船が戻ってきたときにほっとひと息つく場所にしたい」という願いを先代が込めた、この町きっての憩いの場です。

甘味処 いり江特集


 こちらで誰もが一度は注文するのが、先代が考案した「あんみつ」。豆や寒天、餡、白玉、みかんなどのフルーツに至るまで、グルメだったという先代の舌に叶った素材を使っています。現在は、「レシピなどはなく、目と舌で覚えたんですよ」と話す2代目渡辺正則さんが「皆さんがひいきにしてくださる、いり江の味を後世にも伝えていきたい」と創業当時からの味を受け継いでいます。

甘味処 いり江特集


 ご自慢はなんといっても寒天。甘味処になるまでは、こんにゃく・寒天の製造と販売する店を営んでいました。そのとき培った技を活かした寒天は、プリプリとした弾力なのに、するりと入っていくのど越しがたまりません。天草は神津島産と青みがかった大島産を7対3の割合で作ります。「2種類の天草を合わせることで、食感のよさと香りが確実にアップします」と渡辺さん。
 小さな豆にもこだわりと想いがギュッと詰まっています。「国産ではないと、この味は出せない」と力説するように使用するのは、北海道富良野産の赤えんどう豆だけ。片時も釜の傍を離れず、約6~8時間かけて炊きあげていく。やわらかくほっくり炊かれた豆は、ほのかな塩味が利いて、味にほどよいアクセントをプラス。丁寧な仕事がおいしさを守っているという訳です。

甘味処 いり江特集


 渡辺さんが作るのは、甘味だけではありません。冬になると食べたくなるのが冬の名物「温かいごまきしめん」。注ぎ足しながら守り続けている先代の割り下と香ばしいごまがからみ合う。心まで温かくなる愛情たっぷりの逸品です。

 穏やかな人柄の渡辺さんが「ゆっくりくつろいでいって」と優しく声を掛けてくれるものだから、ついつい腰を落ち着かせてしまう。先代の味と店名に込められた温かなおもてなしも引き継がれているようです。

甘味処 いり江特集

※記事内容は2015年12月時点のものです

甘味処 いり江

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Data

甘味処 いり江
甘味処 いり江
住所 〒135-0048 東京都江東区門前仲町2-6-6MAP
電話 03-3643-1760
営業時間 11:00~19:30(L.O.19:00)、土・日・祝~18:30(L.O.18:00)
定休日 水曜定休(祝日、1・15・28日は営業)
その他 アクセス/門前仲町駅5番出口より徒歩3分
メニュー/あんみつ730円、温かいごまきしめん700円

【編集担当/osa】
甘いものには目がなく、特にあんみつは大好きな私がひそかにひいきにしていたのがこちらのあんみつ。8時間かけて練りあげた餡は、舌触りなめらか。たっぷりのせてくれるきっぷのよさに江戸っ子らしさを感じます