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この町のわたしの好きな人(門前仲町)
深川東京モダン館 副館長 龍澤潤さん

深川東京モダン館 副館長 龍澤潤さん

Photo / Takashi Nishizawa
Text / Satoko Nemoto(Sawa-Sawa)

落語会、ベーゴマ、深川めし イベントや展示を通して
深川東京モダン館 副館長 龍澤潤さん特集

 門前仲町駅からほど近い『深川東京モダン館』は、丸窓やモザイクタイルがレトロな建物。1階は観光案内所で、近隣の住人や勤め人、観光客がふらりとやって来ては、セルフサービスの100円コーヒーを片手にくつろいでいます。

「ここは江東区の観光案内だけでなく、文化発信の役割も担っているんですよ」と話すのは副館長の龍澤潤さん。地元住民でもある三遊亭圓橘 (えんきつ)師匠の落語会や、神田陽子さんの講談会を定期開催するほか、「若い世代や区外の方にも、下町の魅力を知ってほしい」と、ユニークな展示や体験型のイベントを企画しています。

門前町の情緒や粋の文化を伝えていきたいですね
深川東京モダン館 副館長 龍澤潤さん特集

 ベーゴマや折り紙で遊ぶ「コドモアソビ」に、町会ごとに柄が違う手ぬぐいを展示する「おまつりのてぬぐい」。企画展「深川の食」では、深川めしを100円で試食するイベントも催しました。同時に食事券が当たるクイズラリーを行い、地域の飲食店に足を運んでもらう工夫もしています。

『深川東京モダン館』は平成20年の開館ですが、建物は昭和7年の建築。関東大震災からの復興をめざし、東京市の公営食堂として建てられたといいます。「公営の質屋、銭湯、一泊所(いっぱくじょ)などと同じく、社会事業の一環ですね。1階はカレーやビフテキを三越や白木屋より安く提供した嗜好食堂、2階は10銭の定食を出した食堂だったそうですよ」。現在、2階はカフェ営業などの多目的スペースになっていて、当時の面影を残しています。

深川東京モダン館 副館長 龍澤潤さん特集

 龍澤さんの出身は西東京市ですが、縁あって江東区の資料館や文化財にかかわってきたそう。「門前仲町は富岡八幡宮の門前町で、3年に一度の大祭に向けたエネルギーがすごい。目に見えない情緒や粋の文化、人のつながりが魅力ですね」
 
 一方で、江戸時代以降の埋め立て地なので歴史が浅く、関東大震災と戦災で昔のものが残っていないこともあって、「変化することに抵抗がない」とも分析します。「『深川東京モダン館』の活動も、私が仕掛けているというより、地域の人たちのつながりを通して、自然に広がっているんですよ」

※記事内容は2016年2月時点のものです

深川東京モダン館 副館長 龍澤潤さん

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Data

深川東京モダン館
深川東京モダン館
住所 〒135-0048 東京都江東区門前仲町1-19 -15 MAP
電話 03-5639-1776
営業時間 10:00~18:00 金・土~19:00
定休日 月曜 休館(祝日の場合翌休)
その他 入館無料 
アクセス/門前仲町駅3番または6 番出口より徒歩3 分

【編集担当/osa】
2 階のカフェでは、レトロ空間の中、ランチやおやつがいただけます。季節替わりのスイーツはほっこり優しい味わい。散策中のひと休みにおすすめのスポットです。営業は不定期なのでH Pで確認してから訪れて