Photo / Saori Kojima
Text / Ayako Futatsuya
西葛西駅から北にのびるメインストリートを歩き10分ほど。葛西橋通りと交差する場所にあるビルに『食事処 喜界』という立派な一枚板の看板が掲げられています。ランチタイムになると、ネクタイ姿の会社員や、女性同士のグループ、地元の人などが次々と“ 魚”と書かれた暖簾をくぐっていきます。
『喜界』で楽しめる豊富なランチメニューの中でも、いちばん人気は「海鮮丼」。8種類もの新鮮なネタが惜しみなくのせられている丼が目の前に運ばれてくると、まずはその贅沢さに驚く人が多いそう。厚切りのマグロやプリプリのカンパチ、甘~いエビやホタテに、歯応えがあってうまみが凝縮された地ダコ…。どれを口に運んでも、ついうっとりと目を細めてしまいます。また、丼に添えられる日替わりのお味噌汁や小鉢も楽しみのひとつです。
ネタにはできるだけ季節の素材を使うようにしていると教えてくれたのは、店主の喜界友蔵さん。また、仕入れ状況によっても具材が変わるので、その時季ならではの魚をいただくことで季節を感じたり、「今日はなにが出てくるかな?」というワクワク感を楽しんだりするのも乙なものです。
「こだわっているのは、第一に新鮮さ。そして、素材を活かすために手を加えすぎないことです」。友蔵さんは毎朝築地へ出かけ、自分の目で見た素材を厳選して仕入れています。「ランチの値段に対して満足していただけるような、新鮮で最高の素材を見つけてくるのもまた仕事なんです」
この地に店を構えて19 年。友蔵さんはもともと、日本橋で9年ほど料理店を営んでいましたが、知人の店を譲り受ける形で西葛西へ。『喜界』という店名は、友蔵さんの生まれ育った地である鹿児島県・奄美諸島の「喜界島」から付けられたもの。故郷を愛する気持ちと、喜界島のことを広く知ってもらいたいという想いが込められています。
普段はほとんど厨房から出ることがないという友蔵さん。でも、常連さんなら顔を見なくてもメニューの頼み方でだいたいわかってしまうそう。そして『喜界』には、制服も接客マニュアルもありません。お店のスタッフは、自然体でお客さんとの会話を楽しんでいます。そんな気取らない雰囲気とほどよい距離感が、訪れる人を心地よくさせているのでしょう。『喜界』が長く愛され続ける理由が見えた気がしました。
※記事内容は2016年3月時点のものです
住所 | 〒134-0088 東京都江戸川区西葛西3-9-24 ベルフェイス西 葛西2F MAP |
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電話 | 03-5605-4331 |
営業時間 | 11:30~14:15、17:30~22:30 |
定休日 | 日曜・祝日定休 |
その他 | カード可
アクセス/西葛西駅より徒歩10分 メニュー/宴会ふぐつくしコース7000円( 飲み放題別)、宴会鍋コース2時間飲み放題付6000円 |
【編集担当/cassy】
築地から仕入れる鮮魚は、お刺身で食べられるのもいいけど、フライや煮つけで食べるとより鮮度と旨さを感じるそんな贅沢な逸品が堪能できます。魚料理なら喜界へぜひ足を運んでみて!