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この町で食べておきたいこの一皿
美食坊 上海ワンタン

美食坊 上海ワンタン

Photo/Saori Kojima
Text/Ayako Futatsuya

一度食べたら忘れられない 本場上海のワンタン

「今までに出会ったことのないワンタンが小岩で食べられる」と聞いて、どんなものなのか想像ができないままたどり着いた「美食坊」。駅からは徒歩で20分ほど離れた住宅街にあり、周囲の家々に溶け込むこぢんまりとした佇まいのお店です。ひとりで切り盛りする小野塚絵里さんが笑顔で出迎えてくれると、初めて来たお店なのに自分の居場所に帰ってきたような心地よさを感じました。
 運ばれてきた丼の中に揺れるワンタンを見て、自分の知っているワンタンではないことがすぐにわかりました。「日本で一般的なワンタンは小のワンタン。これは大のワンタンと言われ、上海ではごちそうなんですよ」と小野塚さん。また、大のワンタンは「金元宝」という中国のお金の形とそっくりで、現地では縁起物なのだとか。レンゲですくってみるとずっしりと重く、つるっとした食感でモチモチの肉厚の皮には豚挽き肉などの具材がたっぷり詰まっています。

美食坊 上海ワンタン特集

 ワンタンの種類は「椎茸」「なずな」の2種類。椎茸は、かむと皮の中に閉じ込められた風味が一気に口の中に広がります。なずなは、日本で食べる機会といえば七草粥くらいであまりなじみがありませんが、上海では人気の食材。さっぱりしていながらも、ほどよく利いた塩気がますます食欲を刺激します。そして、言葉通り〝透き通った黄金色のスープ?は、丸鶏と野菜類をじっくり12時間かけて丁寧に煮込んだもの。化学調味料は一切使わず、野菜のうまみと塩だけでやさしい味わいを引き出しています。
 上海出身の小野塚さんが「生まれ故郷のワンタンが食べたい」と開店を決意し、最初の2年間は食品会社勤めをしながら土・ 日のみ営業。会社での経験と人脈を活かして食材を仕入れたり、ワンタンの皮を特注したりと、本場の味を提供することに余念はありません。お店に専念し始めてからは3年弱。「細く長くやっていきたい」と控えめですが、小野塚さんの作るワンタンと、温和な人柄に惚れ込むファンは着実に増え、遠方から時間をかけて訪ねてくるお客さんもいるほど。でも、一度食べたら納得。忘れられない味がここにはあります。

※記事内容は2017年1月時点のものです

美食坊 上海ワンタン

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Data

美食坊
美食坊
住所 〒133-0052 東京都江戸川区東小岩2-10-16 MAP
電話 03-3658-1745
営業時間 営業時間/11: 00 ~ 15:00、17:00~20:00 
定休日 月曜・祝日定休(12/22 ~1/9) 
その他 アクセス/「小岩駅」より徒歩20分、またはバス停「東小岩二丁目」より徒歩2分 
メニュー/なずなワンタン8 個入り600円(税別)、椎茸ワンタン8個入り650円(税別)