Photo/Saori Kojima
Text/Ayako Futatsuya
瑞江の閑静な住宅街の一角。駅から一之江方面へ10分も歩かないうちに、夫婦ふたりで経営する十数席のこぢんまりしたお店「カンティーヌサカモト」が見えてきます。帝国ホテルで15年経験を積んだご主人が腕を振るう、知る人ぞ知る隠れ家的レストランです。
手頃な価格で提供するために、〝手間はかけてもかけすぎない〟料理を心がけているというシェフの坂本忠晴さん。おすすめの肉料理は「自家製 豚バラ肉のスモーク」です。塩や香辛料で4日ほどマリネした豚バラ肉を、桜チップで燻製にした1品。美しい盛り付けも楽しみのひとつで、お肉の上のごろごろ季節野菜が彩りをプラスし、デミグラスをベースに粒マスタードやバルサミコ酢を加えた特製ソースが添えられています。
ぷるぷるとした豚肉はうっとりするほどやわらかく、お肉の脂の甘みもしっかり感じます。でも重たくはないのは、バルサミコの酸味でさっぱりといただけるから。一度茹でてから軽くグリルしてあるという野菜も香ばしく、こちらもソースとよく合います。野菜が多めになっているのは、来店客の9割ほどを占めるという女性への心配りです。
フランス語で「食堂」という意味の〝カンティーヌ〟を店名にしたのは、「気取らず、気軽においしいものを食べてほしい」という思いからなんだそう。「値段も味も、自分たちが行きたいと思えるお店にしたい。〝瑞江ならあそこがオススメ〟っていうお店があったらなと思ったんです。町に根ざして、地元の人に食べてもらいたいですね」と坂本さん。
おもてなしの心はどこまでも温かく、セットで付くドリンクも手を抜かず、本格的なカフェメニューが揃う徹底ぶり。また、小さなお店のため未就学児連れでの入店はできませんが、そういったファミリーなどにも楽しんでもらえるよう、お店でいただくよりもさらにお手頃なテイクアウトも行っています。
料理はもちろん、坂本さん夫婦の人柄も常連客を離さない理由のひとつ。初めて訪れるお店はちょっとだけ勇気がいるものですが、思い切って扉を開ければ、ずっと通い続けたい好きな場所がひとつ増えるはずです。
※記事内容は2017年8月時点のものです
住所 | 〒132-0014 東京都江戸川区東瑞江3-36-8 MAP |
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電話 | 03-3678-3705 |
営業時間 | 11:30~14:00(L.O.13:30)、17:30~21:00 |
定休日 | 日曜 |
その他 | アクセス/都営新宿線「瑞江駅」徒歩約10 分
メニュー/自家製 豚バラ肉のスモーク970円(税別)※ランチタイムは「マイランチ」を注文のうえ、メインにて提供1530円 ※当日の来店は、混み合う可能性があります。来店前にお電話でお問い合わせください |