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この町のわたしのスキなひと(一之江)
小川高一商店 DIY工房タカオー 小川恭範さん

小川高一商店 DIY工房タカオー 小川恭範さん

Photo/Miharu Kimura
Text/Ayako Futatsuya

 一之江駅から今井街道に入るとほどなく見えてくる、ヒゲのマークの青いテント。ここは、64年も続くこの町のホームセンター「タカオー」です。キッチン用品や生活雑貨が並ぶ店内をどんどん奥へと進んでいくと、一際目を引くコーナーがあります。グリーンの木で仕切られたスペースに5つの作業台、壁には工具がずらり。見上げると「DIY工房」の看板が。この空間を作ったのは、タカオーの“3.5代目”小川恭範さんです。

「店の創業者は祖父で、父が2代目。兄がいるので、私は3代目半なんです」と笑う小川さんの口元には、どこかで見たような素敵なヒゲが。「祖父は20代でここを創業したので、威厳を出すために生やしたみたいです」と小川さん。おじい様が亡くなったあと、そのトレードマークを受け継ぎました。「高一という名前だった祖父は1という数字が好きで、いちばんになりたいという思いがあったようで。そこで、一之江という地名を気に入って、神奈川の大磯からこの地に来ました」

小川高一商店 DIY工房タカオー 小川恭範さん特集

 小川高一商店として小さな金物屋さんから始まったお店は、しだいに扱う商品も増え大きくなっていきましたが、時代が流れると大型ホームセンターの登場に悩まされることに。「品揃えでは太刀打ちできませんし、だんだん店のコンセプトや強みが見えなくなってしまって。なにができるんだろう?と考えて、オンリーワンのものがほしいなと思いました」。小さい頃からものづくりが好きで、かつては学校の先生が夢だったほど人に教えることも好きな小川さんがひらめいたのが、このDIY工房でした。

小川高一商店 DIY工房タカオー 小川恭範さん特集

「自分で作る楽しさと喜びを教えたい」という思いで工房を始めて2年半。クチコミで徐々に広がり、手応えも実感しているそう。「絶対に楽しいっていう自信があるんです。私が教えたら、作ったことがなくてもできちゃいますよ」と小川さんははずむように話します。工房では、小川さんみずから設計した木工キットでさまざまな作品が作れるほか、自分の作りたいものを自由に製作することもできます。

 小川さんには新たな発見もありました。「デジタルな遊びばかりのこの時代でも、子供はなにかを作ることがこんなにも好きなんだと初めて知りました」と嬉しそう。工房の脇の壁は、楽しそうに笑う利用者たちの写真で埋め尽くされています。ものづくりの達人は、人々の笑顔を生み出すのも得意なようです。

小川高一商店 DIY工房タカオー 小川恭範さん

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Data

小川高一商店 DIY工房タカオー
小川高一商店 DIY工房タカオー
住所 〒132-0024 東京都江戸川区一之江4-1-29 MAP
電話 03-3653-5461
営業時間 店舗10:00~19:00、DIY工房10:30~17:30
定休日 水曜定休
その他 ※DIY工房使用料は、30分500円(1名1席)延長30分500円 
※小学生以下は、保護者同伴