Photo/Kenji Nakata
Text/Ayako Futatsuya
町が彩りを取り戻し、なんだか心も明るくなる春。暖かさに誘われるように行動的になるのは、私たち人間だけではありません。花から花へ飛び回るミツバチたちも、張り切って蜜を集め始めています。江戸川区内に咲く花でせっせと働くハチを見つけたら、もしかしたらy&y honeyの鈴木義明さんのところの子かもしれません。鈴木さんは10年ほど前に友人の採蜜に同行したことがきっかけで、この町で養蜂を始めました。「よく蜂蜜が好きなんですか?と聞かれますが、そうでもなかったんです。もともと植物に興味があって、自分の好きなものと結び付いたからやってみようかなって」
本を読んで独学で準備したものの、実際にハチを飼い始めたらわからないことばかり。「東京都養蜂協会に連絡したら、偶然近所にも養蜂をされている方がいて、いろいろ教えてもらいました。3年くらいでなんとなく1年の流れを覚えましたが、やっと〝自分のやり方ってこういうもんだ?って思えるようになったのはつい最近ですよ」。今では地方も拠点をつくり静岡県富士市のミカンや千葉県成田市のソバなど、計6種類の蜂蜜を商品していますが、スタートしたのは自宅の瑞江周辺から。
「この味はどこから来てるのかと蜜源を調べに行くようになったら、江戸川区は街路樹が多いし、篠崎公園や学校もあるので、蜜源が豊富なことに気付きました」と鈴木さん。2018年5月に瑞江で採れたという蜂蜜をひと口いただくと、ほっとする甘みの中に花の香りがふわり。江戸川区でこんなにもおいしい蜂蜜ができることに驚かされます。
江戸川区出身の鈴木さんですが、実は以前はそれほど地元が好きではなかったんだとか。「でも、蜂蜜を始めてから縁が向こうからやってくるようになったんです。いろんな人と出会ってつながっていくと、だんだんおもしろくなってきて。これまで新川のあさ市や区民まつり、船堀映画祭などのイベントに出店していますが、今後も皆さんともっとイベントを企画したいですね」と充実感をにじませます。「本業は鉄工所なんですが、なかなかお礼を言われることはない。でも蜂蜜を販売していると、『おいしかった』とか『ありがとう』と直接言ってもらえる。そういうのがなんかいいなって。蜂蜜にはやるだけのおもしろさがあるんです」。働き者のハチが運んできてくれるのは、蜜だけではないようです。
住所 | 〒132-0011 東京都江戸川区瑞江1-2-15 MAP |
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電話 | 03-3670-0609 |
その他 | 商品に関するお問い合わせ・購入はメール(yy-honey@ae.auone-net.jp)にてご連絡
ください |