Photo/Kenji Nakata
Text/Ayako Futatsuya
幾重にも重なったカラフルな木目が美しい、ランプシェードやアクセサリー。スタイリッシュなデザインだけでなく、木ならではのやわらかさと温かみに引き込まれます。実はこの木工雑貨たち、以前は町中を滑り回っていました。ハンドメイドブランド「AuthenticCollective」を立ち上げた石塚勝己さんが、スケートボードの廃材を使って一つひとつ手作業で仕上げているのです。でも、作品を見た人が驚くのは、それが元スケボーということだけではないそう。「カツミという名前だから“女性が作ってるんだと思った”ってよく言われるんですよ」と、石塚さんはちょっといたずらっぽい笑顔を見せます。
始まりは、廃棄処分をするスケボーの切れ端でピアスや指輪を作っていたことから。しだいに製作の規模が大きくなり、当時作業場を貸してくれていた友人からの「もっと本気でやってみたら?」という言葉で、元来凝り性な石塚さんのものづくり魂に火がついたそう。「僕には師匠がいないんです。動画サイトを見て…」と、技術は独学。ですが、平らな面が少ないうえに、激しく使用した後のボードを扱うのは、作業の手間も多く容易ではありません。「見た目はキレイでも、スライスしたら中身が折れてたり。僕の作品を好きと言ってくれた寄木細工職人は、“俺ならその材料で作りたくない”って」。たとえ効率が悪くても、石塚さんにとってはわざわざスケボーを使うことに意味があります。「一般の人にスケートボードを知ってもらいたい」という思いが根底にあるからです。
もちろん、自身もスケートボーダー。小学生の頃から行徳で育ち、16歳のときにスケボーを始めて浦安にも滑りに遊びに来るように。市内に本店を構えるスケートボード専門店「instant」のメンバーでもあります。現在は物流関係の本職と製作作業が忙しく、滑る時間はほぼないそうですが、スケボーが好きな気持ちは変わりません。「スケボーをやってておもしろいのは、音楽やアートなどいろんな方面のカルチャーにつながっていて、人とのつながりが生まれること」だと石塚さん。つながりの連鎖で、ハンドメイド作家や浦安のお店など、スケボーに直結しないところまで輪が広がりました。「同じものはふたつとできないし、こんな柄が出るんだろうなと想像して削っても全然違ったりするんです」と楽しそうに話す石塚さん。生まれ変わったボードを次に手に取るのは、どんな人なのでしょうか。
URL | https://www.instagram.com/authentic.collective/ |
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その他 | 〈取り扱い店〉
●URAYASUmarkets(浦安市北栄3-3-16)TEL047- 329-2430 木・金11:00~20:00、土・日10:00 ~18:00 月~水定休 ●MIND(市川市行徳駅前4 -1-16)TEL047-311-4921 12:00~20:00 不定休 |
8 月に展示会を開催予定!
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