新小岩駅から商店街を背中、中川に向かって徒歩8分。住宅地に佇むのが今年6月にオープンした、「洋菓子店sentiment」です。扉を開けると、そこは別世界! 天井からつるされたドライフラワーやフランスのアンティーク家具、ゆったりと流れるピアノのBGMが、幻想的な雰囲気を醸し出しています。笑顔で迎えてくれたのは、店主の堀内昌輝さん。料理好きの祖母の影響で、小学生時代から台所に立っていたという堀内さん。デザイン会社に就職後は、週末にお菓子を作り、友人や親戚に振る舞っていたそう。
「自分が作ったお菓子をおいしい! と言ってもらえることに喜びを感じているうちに、もっと多くの人に届けたいと思うようになったんです」。試行錯誤を重ねながら、独自のレシピを開発。地元である新小岩の古民家をリノベーションして、念願の洋菓子店に。「解体から塗装、デザイン構成、家具の準備まで、すべて自分で行うことで、思い描く世界観が表現できました」
店内に並ぶ焼き菓子やイートインのケーキは、すべて保存料、添加物、着色料不使用。15カ所の養鶏所を訪れて選んだ卵や、北海道産バター、契約農家から仕入れる旬のフルーツなど素材にこだわり、甘さ控えめに仕上げてあります。イートインは完全予約制で、旬の素材を使ったケーキ3種類を、予約時に選べます。フランボワーズ、キャラメル、ココアのパウンドケーキなどが何層にも重なったイチゴのパフェや、かわいらしいミニマカロンがのったチョコレートタルトなど、目にも楽しいスイーツが週替わりで登場。オリジナルドリンクとともに、ゆっくりと味わえます。
「見ているだけでワクワクするお菓子作りを大切にしています。素材へのこだわりなど、お客様一人ひとりに丁寧に説明できるように、完全予約制のスタイルにしました。お客様の笑顔が新作作りへのモチベーションになっています」。テイクアウトの焼き菓子も、押し花のクッキーなど定番商品のほか、訪れるたびに新作にも出会えます。現在は、人気が高く、ソーシャルディスタンスも考慮して、SNSでの予約制で販売中とのこと。「3階を増築してカフェスペースを増やしたり、入口にテイクアウト専用の小窓も作りたいと思っています」と今後の展望も意欲的です。下町情緒が残る新小岩の町に溶け込む小さな洋菓子店。一度訪れると、堀内さんの作る、愛情いっぱいのお菓子と素敵な笑顔に魅了されます。