江戸川五丁目バス停から、旧江戸川を左手に5分ほど進むと、木のぬくもりを感じる建物が目に飛び込んできます。扉の窓に控えめに記された「かいじゅう屋」の文字。橋本宣之さん、美香さんご夫婦が営むパン屋さんです。
宣之さんがパン職人をめざすきっかけとなったのが、天然酵母パンの草分け的存在「ルヴァン」との出会い。約5年間の修業を経て独立。2007年、目白に「かいじゅう屋」を開業しました。レーズンから起こした発酵種と、自然栽培の小麦から作るこだわりパンは、週3日の営業日には行列ができるほど人気に。数年後に立川の有機野菜農園の一角に移転し、採れたて野菜を使ったサンドイッチが評判となりました。そして2020年秋、長女、次女、長男との家族5人で宣之さんの故郷、江戸川区へ。
「ここは等身大の自分でいられる場所なんです」と、話すこの地は、実家が営んでいた元酒屋。15代目となる商いに、新たな息吹が吹き込まれました。「改装をお願いした設計士さんは、長女の同級生のお父さん。一緒に美術館や教会などを巡りながら、私の趣味嗜好をくみ取ってくれて。角地や川の近くである環境を活かし、光や風がたっぷり注ぎ込む空間をイメージして造ってくれました。開放感抜群の店に入ると、対面式カウンターで笑顔の美香さんが出迎えてくれます。窓越しの工房から届く焼きたてパンが10~15種類並び、食欲を掻き立てます。
怪獣の絵柄が焼印された食パンや皮はカリカリ、生地はもっちり食感のメロンぱん、自家製酵母のバターロール、紅茶チョココッペぱんなどバラエティ豊か。「以前はハード系のずっしりとしたパンが中心でしたが、年配の方や家族連れのお客さんが多いこともあり、食べやすくてやさしい味わいのパンも作るように。今後、江戸川の土地柄を活かしたメニューも作れたらいいですね」と、宣之さん。
また、小学2年生から中学生の3人のママとしても奮闘中の美香さんは、パン職人の経歴も。現在は、接客のほか、酵母のクッキーやマフィンなど焼き菓子を担当。「米粉やグルテンフリーのお菓子にも挑戦してみたい」と目を輝かせます。
近隣には、旧江戸川や新川口児童遊園があり、パンをほおばりながらのんびりするのもおすすめ。「駄菓子屋のような、長く親しまれる存在になれたら」と、地元への思いをご夫婦で語ってくれました。
住所 | 〒132-0013 東京都江戸川区江戸川5-31-3 MAP |
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営業時間 | 11:00~18:00 (なくなりしだい終了) |
定休日 | 月・木・日曜定休 |
URL | https://ameblo.jp/osono911/ |
その他 | アクセス/葛西駅より新小岩行き22番系統バスで江戸川五丁目下車徒歩5分 |