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いちばん大切なのは子供たちです。近所の人とはお互い笑顔でいられればいいですね

　宇喜田公園の入口にあるアイスクリームショップ『ＥＬＬＥ　ＯＮＥ』は、近隣に住む家族連れや学校帰りの子供たちの御用達。壁に貼られたメニューには、バニラ、ソーダ、黒ごま、みかん、中華杏仁…… スジャータのアイスクリームが42
種類も！ 「人って好き嫌いがあるでしょ？ これだけあれば好きな味を選べるから」と話すのは、「ＥＬＬＥ　ＯＮＥ」“おっちゃん”こと中川友髙さんです。

　アイスクリームの品揃えのみならず、中川さんの類まれなる親切心はこの界隈で有名。お客さんから「子どもが熱を出した」と連絡があれば、仕事を抜けられないお母さんの代わりに病院へ連れて行き、パート先で店長のパワハラに遭ったお母さんがいれば、親身に相談にのったうえ、店長にかけ合ったことも。中川さんは、「地方出身でパート勤めのお母さんは、近所に助け合える知り合いがいないんですよね」とさらっと言いますが、誰にでもできることではありません。

　一緒に店を切り盛りする通称“エルママ”の榎本さんが（照れる中川さんに代わって）教えてくれたところによると、中川さんの親切エピソードは限りなし。通りがかった宅配便の配達員に、「好きなの持ってけー」と店のジュースを振る舞い、台所の床が腐って抜けそうと言われれば家まで見に行き、道案内の際は目的地まで連れて行き……。ジュースの値段も、「子供のお小遣いは１００ 円単位だから」と消費税をのせていません。中川さんいわく「内税でも利益は出るんですよ。薄利多売だから、たくさんは儲からないけどね」

　体が大きく、悪さをする子供には遠慮なく怒る中川さん。最初は怖がられることもあるそうですが、近所の小学生が「おっちゃん、タッチ！」とハイタッチをしていく人気者です。榎本さんは、「中川を見ていると、すごいなと思うことが多いですよ」としみじみ。「人ってこう生きなきゃいけないのか」とも。こんな“ おっちゃん”が見守ってくれる、この地域の人たちがうらやましくなります。