緑いっぱいの古川親水公園近くの住宅街に佇む「みんなのパン」。伊藤さんご夫婦が、2005年に隅田区菊川でパン屋を始め、2021年5月に博之さんの祖母の自宅だったという今の場所にオープン。博之さんとスタッフの田原迫さんがパン作り、隆子さんが接客を担当しています。こちらの特徴は体のことを第一に考えたパン。小麦粉のパンのほかに、小麦粉の表皮を粉にしたふすま粉や、大豆を使用した低糖質パン、米粉100%のグルテンフリーパン、卵や乳製品を使わないアレルギー対応パンが並びます。
「パン屋を始めた後、私が糖尿病予備軍になり、食事内容を見直さないといけないことに。当時はアレルギーの子供向けに小麦粉や卵、乳製品が入っていない食品が出ていましたが、糖質オフの食品はまだ少なかったんです。そんなときに、ふすま粉があることを知り、使ってみようと思いました」と隆子さん。本を参考に糖質や栄養について1カ月勉強し、食事だけでなんと5カ月で10㎏痩せたそう。それをきっかけに、カロリーや栄養指導ができる食生活指導士の資格を取得。自分のように食事に困っている人にパンを食べてほしいと、大豆のフランクフルトソーセージ、ふすまのレモンクリーム、グルテンフリー野沢菜おやきなど、素材はもちろん、おいしさも追求したパンを作っています。また、店内にはダイエットや糖質オフをテーマにした本が置かれ、病気で食事制限が必要な人、ダイエットしたい人の健康や食事について隆子さんが相談にのってくれます。
「今は大豆パンの缶詰を開発しています。東日本大震災の際に、避難所ではおにぎりやパンなど、血糖値が上がるものばかりで、糖尿病の人が食べられるものが少なかったと聞きました。不自由な生活環境で病気になるなど、災害関連死は、震災で亡くなった人の3倍いたそうです。缶は砂糖を入れないと菌が発生しやすく、何百個と試作し、試行錯誤していますが、必要としている方に届けられるよう完成に向けてがんばっています」と隆子さん。
また、捨てられているものを利用したいと、トウモロコシの芯やコオロギ粉を使うなど、ゴミ削減や食糧難に配慮したパンも。「テラスはワンちゃんと過ごせますし、『でこぼこマーケット』の野菜を販売したりしています。これから地元の方々と一緒にいろいろな取り組みをしたいです」と語ってくれました。
住所 | 〒134-0013 東京都江戸川区江戸川6-33-28 大和コーポ1F MAP |
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電話 | 03-6808-7675 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 水曜定休 |
URL | https://minnanopan.com/ |