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先人がつくってくれたストリートダンスという素晴らしきものを　素晴らしいまま浦安の子供たちに伝えたい

　ストリートダンススクール『スタジオ･フェイス　浦安校』の代表、北川雄一郎さんは、長きにわたり浦安のダンスシーンを見守ってきたダンサーのひとり。ダンサー名は＂ＹＵＣＨＡＮ＂です。4年前の開校以来、彼のもとに集まるのは、３歳から60歳までの初心者から経験者、プロを目指す若者まで。さまざまな人々がダンスを楽しんでいます。

　北川さんがダンスの道へ進んだきっかけは、少年時代に野球で挫折したこと。そのことが社会人になっても心に引っかかっていたのだそう。｢スポーツでの失敗をスポーツで克服しないと自分に自信が持てないと思い、仕事を辞めて好きだったダンスでプロになろうと決めました｣。影響を受けたのはヒップホップの考え方でした。｢成功するかどうかでなく、自分を突き詰めていくことが重要。ただ、当時はカッコつけたかっただけですけど｣と北川さんは照れ笑い。｢でも、それってダンスの絶対条件｣。とあるレッスンでは、同じダンスを単調に繰り返す子供たちに｢次は自分なりにカッコよくやってみよう！｣と声をかけていました。｢カッコいい私ってどんなだろう？｣と、みんな頭を悩ませながら体を動かします。｢まずは自分にとってのカッコよさを追求してほしい。ダンスを通して、精神的にも成長できるよう、サポートをしています｣

　目下の目標は浦安のダンサーが育つ環境づくりです。第一線で活躍する地元出身のダンサー仲間とともにURSストリートダンス協会を立ち上げ、｢ウラヤス ストリートダンス フェスタ｣や｢浦安道端文化祭｣などのイベントも運営。｢自分たちが練習してきた浦安に、ダンスで恩返しをしつつ、さらに浦安から発信できる場をつくりたい｣と、一流のダンスや音楽を生で体験できる場を提供しています。　そんな自分を＂伝道者＂と北川さんは呼びます。｢ダンスの素晴らしさを、きちんと伝えていきたい。難しいんですけど表面的なことだけでなく本質を伝えられれば｣。浦安のダンスシーンは、子供たちの未来をますます広げてくれそうです。