Photo/Takashi Nishizawa
Text/Satoko Nemoto(Sawa-Sawa)
門前仲町と清澄白河の間のエリアにある『ピッツェリア ピッキ』は、本格的な薪窯を持つピッツェリア。メニューを開くと意外なことに、テリーヌ、カルパッチョ、フリット、肉料理、魚料理、煮込み料理まで、ピッツァ以外にもおいしそうなイタリア料理が並びます。メニューに描かれた料理のイラストは、シェフを務める山本雄造さんの自作。食材の説明付きで、眺めるうちに食欲が湧いてきます。
なかでも編集部のおすすめは「農園野菜のテリーヌ」。季節の野菜を10種類も味わえる、目にも美しい1品です。「野菜はそれぞれに適した火加減で、しっかり塩茹でします。形を作るのにゼラチンはほとんど使わず、手でギュッとプレスすることで適度な水分が出て、野菜そのものの味が凝縮されるんです」と山本さん。材料は、長野県の木島平でおいしい野菜を作っている農家から。黒オリーブで作るタプナードソースをからめて味わうと、野菜の個性が一つひとつよくわかります。
「イタリアのピッツェリアで前菜といえば、余った生地で作る揚げ物など、すぐ出せてガッツリしたものが多いんです。でも、ピッツァにボリュームがあるので、前菜は野菜料理を選ぶとバランスがいいですね」
山本さんは料理の専門学校を卒業後、パティシエとしてキャリアをスタート。1年後に「毎日でも通ってもらえる店がいい」と料理に転身しました。イタリア料理を選んだ理由を聞くと、「女性はパスタが好きだし、和食よりカッコいいから」と笑いますが、「サッカーが好きなんです。イタリアで熱い試合が見たかった」とは本音のよう。イタリア修業時代は毎週末、スタジアムに通っていたそうです。
「ピッツェリア ピッキ」のお客は、ほとんどが近所に住む常連さん。小さな子供が一緒でも食べやすいピッツァは、もちろん評判のおいしさです。450℃の高温で焼きあがりまで1分半。打ち粉にしたセモリナ粉が香ばしく、ほどよい塩味が利いて、もっちりした生地は噛みごたえがあります。
「ナポリの子供たちは、これであごを鍛えるんですよ」と教えてくれました。
※記事内容は2015年10月時点のものです
住所 | 〒135-0041 東京都江東区冬木6-18 MAP |
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電話 | 03-5639-1285 |
営業時間 | ランチ11:30~14:30(L.O.14:00)、土曜・日曜・祝日11:30~15:00(L.O.14:30) ディナ ー18:00~23:00(L.O.22:00) |
定休日 | 月曜定休 |
その他 | アクセス/門前仲町駅6番出口より徒歩8分 メニュー/農園野菜のテリーヌ950円、ビスマルクビアンカ(ピッツァ)1700円 ※カード可 |
【編集担当/osa】
メニューのイラストはシェフ山本さんの手描きで、かわいいんですよね。どんどん腕が上がってますと言うだけあって、ついつい見入ってしまいます。料理がなかなか決まらなかったりしますが、この店に来る楽しみのひとつです