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発酵文化応援団 隊長 喜連川覚さん

発酵文化応援団 隊長 喜連川覚さん

Photo / Saori Kojima
Text / Satoko Nemoto(Sawa-Sawa)

日本酒の発酵醸造は 日本が世界に誇る食文化
発酵文化応援団 隊長 喜連川覚さん特集


 夜の商店街に浮かぶ明かりに誘われて暖簾をくぐり、まずはビールを一杯。ひと息ついたところで、前菜が運ばれてきます。『発酵文化応援団』は、日本酒に惚れ込んだ喜連川覚(きれかわ さとる)さんが開く店。喜連川さんが全国の酒蔵からセレクトした日本酒を飲めます。「自分の好きな酒だけ、常時20種類ぐらい置いています」という中から、おすすめを飲ませてもらいました。

各地の杜氏が丹精込めた 日本酒を味わってください
発酵文化応援団 隊長 喜連川覚さん特集


「臥龍梅(がりゅうばい)」純米大吟醸生貯原酒(なまちょげんしゅ)は、静岡市清水区の酒蔵のもので、すっきりした飲み口。「バランスのとれたきれいな味で、白身魚の刺身などの淡泊な料理に合いますよ。昔ながらの*南部杜氏が造っています」。一方で、「今主流の日本酒の味」として注いでくれたのは、岐阜県美濃加茂市の「御代櫻(みよざくら)」純米原酒。繊細な味わいながら、同時に力強さを感じます。「日本酒の味は時代によっても変わるんですよ。岐阜の山奥は寒いから、もともとお燗に合う酒が多かったんです。でも、これは純米・無濾過・生で、ボディがしっかりとある。若手の杜氏が手がける酒です

発酵文化応援団 隊長 喜連川覚さん特集


 喜連川さんが日本酒に出会ったのは、11年勤めたという都内の飲食店。吟醸酒を揃える店の先駆けでした。「店主に教わって酒蔵を訪ねるようになると、それぞれの造り手の考えや意気込みがよくわかるんですね。これまで250以上の酒蔵で、日本酒を飲んできました(笑)」

 飲み方にも地域色があり、喜連川さんの出身地、北九州には“角打〟(かくうち)の文化があるそうです。「高度経済成長期、炭鉱で働く日雇いは、仕事帰りにすぐ飲みたいから、酒屋で立ち飲みしたんです。おかわりの合図に、升をカウンターに打ちつけるから角打ち。そんな飲み方のかっこよさも伝えていきたいですね」
 2010年、縁あって亀戸香取勝運商店街に『発酵文化応援団』を開いた喜連川さん。「店で出す料理には、江戸東京野菜の千寿ねぎや亀戸大根、商店街にある店の味噌を使っています。ぐい呑みも地元の江戸切子ですよ」。亀戸の情報を発信する「亀戸梅屋敷」にも出店するなど、地域の活性化にも熱心。「商店街の横のつながりを大切にしていきたい」と言い、これからの展開が楽しみです。

※記事内容は2015年11月時点のものです

発酵文化応援団 隊長 喜連川覚さん

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Data

発酵文化応援団
その他 ※都合により、現在お店はお休みしています

【編集担当/osa】
好みを伝えるとお酒を注ぎながら、楽しそうに説明をしてくれる喜連川さん。日本酒への愛を感じて心までほっこりしちゃいました。丁寧に作られた料理もおいしくって、あまりお酒が強くない私もとことん楽しめた一夜でした