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江戸川 凧の愛好会 会長 蒲倉一郎さん

江戸川 凧の愛好会 会長 蒲倉一郎さん

Photo / Takashi Nishizawa
Text / Hiromi Onda(Listen)

凧揚げは自然を相手にしたコミュニケーション
江戸川 凧の愛好会 会長 蒲倉一郎さん特集

「ここが僕のお気に入りの遊び場だよ」。江戸川凧の愛好会会長の蒲倉一郎さんがそう言って案内してくれたのは、凧作りの作業場・通称「凧部屋」です。静岡の巴凧や仙台の日の出凧など、約300種類もの伝統凧や、割り竹などの材料が所狭しと並び、屋上には大きな風向風速計がクルクルと回る秘密基地のような場所。「風速4m、北の風。今日は凧揚げ日和ですよ」と、早速鮮やかな藍色の剣凧を空高く揚げて見せてくれました。

江戸川の河川敷は 子供たちの最高の遊び場です
江戸川 凧の愛好会 会長 蒲倉一郎さん特集

 福島県で育ち、子供の頃から凧は身近な存在でした。「福島では厄年に、男性は凧を、女性は紙風船を、歳の数だけ近所に配るという土着の文化があったんだ。厄を吹き飛ばす意味でね。床の間にはいつも凧が積んでありましたよ」

「文化はあるべくしてその土地に根付く」という持論を持ち「江戸川に住んでいなければ凧を広めたいとは思わなかった」と蒲倉さん。上京後結婚し、暮らし始めた江戸川の河川敷の風景は、盆地に田園が広がるのどかな故郷と重なりました。「これは偶然じゃなく必然じゃないかな」。幼い頃を思い出し、子供と凧揚げをやろうと思いついたときには凧を扱う店はほとんどなく、なんとか材料を工面して凧を自作。子供と一緒に揚げたり、友達にも作ってあげたりするうちに、凧の愛好会の前会長と出会いました。

江戸川 凧の愛好会 会長 蒲倉一郎さん特集

 1998年には、子供でも竹を使わず安全に作れる、レジ袋を使った「ほねなしカイト」を考案。作り方は絵本にもなり大ヒットしました。「レジ袋はどこにでもあるものだから、世界中の子供たちに凧揚げを楽しんでほしい」と夢を語ります。

 今では区内外の小学校や施設で、子供たちだけでなく先生や地域の皆さんにも凧作りを教えています。

「凧は必ず自然という相手がいる遊び。思い通りにならないからこそ、どう向き合うかを考える。また、自分の凧だけ見ていたら、ほかの人の凧糸が絡んでくるかもしれない。相手への気配り、目配り、思いやりも育まれます」。江戸川の土手に揚がる凧は、子供たちの成長の種なのかもしれません。

※記事内容は2016年1月時点のものです

江戸川 凧の愛好会 会長 蒲倉一郎さん

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電話 03-5636-6868
営業時間 凧教室のお問い合わせ/ 平日9:00~18:00

【編集担当/don】
気持ちのよい青空に舞う凧。そのしっぽが上空でヒラヒラと開いてくると、「凧が楽しがっているよ」と目を輝かせていた蒲倉さん。「このワクワクが子供たちの笑顔の糧になるんだな」と、私もなんだか嬉しくなりました