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「ビールはみんなが集まるきっかけにもなり、地域を活性化させるもの。仲間と話をしている中で、自分たちでビールを作っちゃおうと盛り上がったんです。今、母校でもある千葉商科大学の学生とともにプロジェクトを進めています。作りたいのは文房具店ならではの『えんぴつビール』。９Ｈから６Ｂまで種類があるよう、ビールも濃さの違いでバリエーションを設けたらおもしろいですよね。

　また『真間のつぎはし』や『手児奈』、『常夜灯』のような市川の名所をイメージしたビールも作りたいです」と釘抜さん。ですが、ブルワリーをつくるのも簡単ではないようで、クラウドファンディングで資金を集めたり、円安の影響などもあり、開始が遅れていて、実際にビールを作るのは2023年春からになるそう。今はビール作りを夢見ながら、「話飲茶屋つぎはし」を間借りして、月・火曜の夜に「まるやブルワリーinつぎはし」で、釘抜さんがセレクトしたクラフトビールが飲めるお店を営業しています。

　そして驚きなのが、土・日曜の9～17時は真間小学校の管理人、火～金曜は千葉商科大学の郵便配達員、月・水曜は放課後自習まなびくらぶのボランティアスタッフ、隔週の水曜はフードバンクの食品管理、合い間に本業の文房具の配達と、何足ものわらじを履く釘抜さん。普段から地域とのかかわりが多く、道を歩いていると行き交う人たちと挨拶をしたり、お店には自然と子供たちが集まってきます。「地元に恩返しをしたい気持ちがあって、子供が楽しく暮らせるように見守っていたいんです。こうならなくてはいけないといったプレッシャー的なものや悩みが子供にもあると思うのですが、僕みたいに、ひとつに限らずやりたいことをいろいろやっていて、『丸屋のおっさんみたいな人がいるから大丈夫』と思ってもらえたら嬉しいんです（笑）」とほほえみます。春になったら、そんな思いがこもった釘抜さんが作るおいしいビールを一緒に飲みたいです。