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「アラカルトはなく、蕎麦を中心とした夜のコース料理のみ。野菜そのものの味が楽しめる無農薬の野菜を中心とした前菜、１年熟成したジャガイモのコロッケや自然卵の玉子焼きといった一品料理、お蕎麦、デザートのパフェのコースで、春は山形の天然の山菜、夏は元気な夏野菜、秋はキノコ、冬は鍋など季節の素材を使った料理を味わっていただけます。2023年からはカフェ部をスタートし、ドリンクのほか、塩むすび定食やパフェを提供。また、雑司ヶ谷の手創り市で手作りあんこのどら焼きを販売したり、月に１回、ショートブレッドやマドレーヌなどの焼き菓子を販売するおやつ便も行っています」

　著書『味覚革命』を出版している大森さん。素材本来の味わいのある食材を食べ、味覚を育てることが重要で、健康にもなれると話します。「無農薬の小麦や米、野菜など本物の食材と出会ったことで、味覚がどんどん変わりました。素材そのものの味がしっかりしたものを使えば、味付けは少しでいいんです。また、添加物を使わない油、醤油、味噌、水も大事です。私も以前はラーメンの食べ歩きをしていましたが、今では、塩辛く感じてしまい、塩を５分の１にしてもらうことも。そんな食生活を続けてきたら、自然と体重が落ち、汚れた体がきれいになっていくような感じで、体が変わっていきました。皆さんにも本物の食材を食べてほしいです」

　リピーターも増え、味がわかるお客さんばかりなので、労力はかかりますが、食の質は落とせないという大森さん。ほかにも奥様の宏美さんが行うカレーナイトや落語会などを実施しています。

「最近では、落語が好きなお客さんのつながりで、地元在住の落語家をはじめ、若手で実力のある落語家が登場する落語会を開催。この古民家の雰囲気の中で、落語家の熱がこもった話芸を近い距離で観賞できるのは格別ですよ」