ビニールハウスの中いっぱいに青々と大きく育った小松菜。みずみずしくシャキシャキとした食感で、生でも食べられるという小松菜を栽培している春江町の小原英行さん(左)と鹿骨の門倉周史さん(右)。それぞれの農園で働きながら、「K&K Farm」を立ち上げたおふたりに、活動の内容を聞くと、息の合った漫才のように、かけ合いをしながら話してくれました。
「先代からの技術を受け継ぎながらも新しい技術も取り入れ、2010年あたりから、高級品としてデパートでの販売や、学校給食への参入など、販売マーケットの多様化をしてきました。お互い似たようなことをやっていたこともあり、2017年から一緒においしい小松菜作りの研究をしたり、欠品がなく安定して小松菜を納品できるよう、経営の一部を共同で行うように。」
「学校給食用として最初は小ロットで納品していたのですが、学校も地産地消の普及に力を入れたことからどんどん広がり、江戸川区内では15校、また各エリアの業社を通して、世田谷区、北区、中野区などからも引き合いが来るようになり、今では学校給食の割合が大きくなっています。小松菜はカルシウムを多く含み、一年中安定して採れますし、どんな料理にも使えるので給食にぴったり。ただ子供たちが食べるものなので、異物混入がないようにするなど、細心の注意を払っています」
小松菜を納品するだけでなく、江戸川区の名産である小松菜のことを子供たちにもっと知ってもらいたいと、社会科見学として、畑に来て小松菜を採って、持ち帰って食べてもらう体験や、小学校でスクリーンを使って小松菜の説明をする授業も実施。また、東日本大震災や能登の震災、九州豪雨など、災害で困っているエリアにフードバンクを通して小松菜を送ったり、江戸川区内ではフードバンクや子ども食堂用に提供するなど、地域貢献の活動も積極的に行っています。
「周辺に住宅が多く立ち、都市の農業は、音や堆肥の問題などで苦労も多いですが、採れたての小松菜を皆さんに食べていただけるというメリットがあります。私たちの小松菜は、新小岩や本八幡にある『QUEEN'S ISETAN』、土・日曜に営業するキッチンカーの横で販売しています。ぜひ新鮮でおいしい小松菜を味わってほしいですね」
仕事の後のお酒が好きと楽しそうに話すふたりですが、小松菜作りへの真剣さと熱量をひしひしと感じました。今後はハーブなどにも着手していくそうです。
住所 | 〒132-0003 東京都江戸川区春江町2-45-16 MAP |
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URL | https://kkfarm.jp |
その他 | アクセス/瑞江駅より小岩駅行き京成バスで春江中学校下車徒歩5分 |