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この町で食べておきたいこの一皿(浦安)
健鮨

健鮨

Photo/Saori Kojima
Text/Hiromi Onda(Listen)

素材のよさは一目瞭然 熟練の職人技が光る マグロの握りに舌鼓

 昭和46(1971)年に『健鮨』を開業以来、漁師町として栄えた浦安で、魚を見る目が確かなお客さんたちの舌をうならせてきたのが、寿司職人の野口哲夫さんです。カウンターのケースに並ぶのは、30種類以上の上質な旬のネタ。その中からアナゴやウニなど10種類のネタが味わえる「特上ちらし」も外せない一品ですが、ここで必ずいただきたいのが「マグロの握り」です。

健鮨特集


 仕入れは野口さんみずから毎朝築地市場に出向き、10軒もの仲卸業者を回ります。「爽やかな酸味があって、刺身でも十分にうまい大トロには本マグロ。脂の味が濃く、シャリと合うインドマグロは中トロと赤身に使います」、これが野口さんのこだわり。素材を活かすためにシャリも同様に「人肌の温かさで、口の中でほろりとほぐれるように握るのがコツ」と熱く語ります。

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 ツケ皿に、大トロ、中トロ、赤身が一堂に並ぶと、ため息が出るほどの美しさ。きめの細かいさしが入った桜色の大トロは口の中でとろけます。マグロの質を決めると言われる赤身は、かむほどにうまみが広がり、中トロは脂の甘みと歯応えが絶妙。少し甘めにさっぱりと仕上げた江戸前風のシャリとマグロの脂が口の中で一体となり、まさに至極の味わいが生れます。
「シャリの大きさはお客様を見て変えます。女性やお酒を召し上がる方には小さめに。お腹がすいている方には、ちょっと大きめにね」。そんな心遣いも『健鮨』ならではのおもてなしです。

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「寿司は本来握りたてがうまい」と言う野口さんの言葉通り、寿司屋の特等席はカウンターです。大将との会話に花を咲かせ、旬の食材を一番おいしい食べ方でいただく。回転寿司が定着した近年は、そんな醍醐味を味わえる昔ながらの寿司屋が少なくなってきました。それでも「うちは地元のお客様に守られていますよ」と語る野口さん。「自分や家族へのご褒美としてうちを使ってくれる。皆さんが本物の寿司が食べたいと思ったとき、いつでも足を運べる様にがんばって続けていきたいですね」。威勢のいい大将の声は、今日もカウンターから聞こえてきます。

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※記事内容は2016年1月時点のものです

健鮨

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Data

健鮨(けんずし)
健鮨(けんずし)
住所 〒279-0002 浦安市北栄1-15-28 MAP
電話 047-351-6484
営業時間 12:00~14:00、17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日 日曜
その他 アクセス/浦安駅南口より徒歩3分
メニュー/大トロ1300円(2貫)、中トロ1200円(2貫)、赤身400円(2貫)、特上ちらし おまかせ3000円(以上、すべて税別)
※カード可

【エリア担当/shin】
「昔ながらの感じっていいよね」と僕たちは簡単に口にしてしまいます。でも、45年もの月日が流れる中、それを守り続けることも本当に大変だと感じました。健鮨さんだから味わえるお寿司のおいしさをぜひ堪能して