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江戸川フィルハーモニーオーケストラ 団長 根本秀樹さん

江戸川フィルハーモニーオーケストラ 団長 根本秀樹さん

Photo/Saori Kojima
Text/Ayako Futatsuya

 音楽は、広い意味では日常に溶け込む身近な存在でありながら、意識しなければ“ 本物”に触れる機会はなかなか少ないものかもしれません。でもこの町には、その距離をぐっと縮めてくれるオーケストラがあります。
 「江戸川フィルハーモニーオーケストラ」( 以下、江戸フィル)が江戸川区に音楽文化を広めていくことを目的に設立されたのは1986年のこと。「オーケストラを作ることが、江戸川区音楽協議会の悲願だったんです」と話すのは、同協議会の現会長でもあり、江戸フィルの2代目団長を務める根本秀樹さん。大学を卒業してすぐ、江戸フィル結成当時から活動に参加し、一昨年、初代団長からバトンを託されました。

江戸川フィルハーモニーオーケストラ 団長 根本秀樹さん特集

 生まれも育ちも江戸川区の根本さんは、ブラスバンドが盛んな松江小学校に通っていたことがきっかけで管楽器への興味が深まり、中学生になった頃、ついに楽器を手にしました。「本当はトランペットをやりたかったんですが、定員がいっぱいだったんですよ(笑)」。その後何十年もともに歩むことになる相棒・トロンボーンとの出会いは偶然、そして意外なものでした。
 ところで、根本さんの本業は歯科医師。トロンボーン奏者としての知識や経験を仕事にも活かし、多角的に音楽の世界を支えています。「転んで前歯を折ってしまったり、歯周病( 歯槽のうろう)で歯がグラグラしてしまったりした場合、楽器のことをわかっている人が治療しないと吹けなくなってしまうんです」。根本さんの歯科医院には試奏室が設けられ、演奏に支障がないよう丁寧に調整しながら治療を進めます。そのため、札幌や広島など遠方の患者さんが来院することもあるそう。

江戸川フィルハーモニーオーケストラ 団長 根本秀樹さん特集

 江戸フィルには現在70人ほどのアマチュア演奏家が在籍し、年2回の定期演奏会や、子連れで楽しめるファミリーコンサートなどを通して、区民と音楽をつなぐきっかけを積極的に作っています。公演には毎回1000人以上の来場者があり、着実に知名度を上げていますが、「もっと演奏レベルを上げて、コンスタントに足を運んでくれる人を増やしたい」と、向上心も忘れません。「30年以上やってきて、熟成されてきたと思います」と江戸フィルの歴史に手応えを感じている根本さん。仲間と奏でるシンフォニーは、時を重ねるほどますます深みを増していくことでしょう。

江戸川フィルハーモニーオーケストラ 団長 根本秀樹さん

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Data

江戸川フィルハーモニー オーケストラ
江戸川フィルハーモニー オーケストラ
営業時間 11月13日(日)13:00開場、13:30開演
その他 会場/江戸川区総合文化センター・大ホール
入場料/当日券10 0 0円、前売り券8 0 0円
※記事内容は2016年11月時点のものです

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