Photo/Takashi Nishizawa
Text/Satoko Nemoto(Sawa-Sawa)
江戸川区の小松川は、小松菜の特産地。徳川八代将軍吉宗が鷹狩りに訪れた際、そのおいしさに感心して名付けたと言われています。区内には江戸川産の小松菜をメニューに取り入れる飲食店がいくつかあり、なかでも『ヴィオレッタ』の小松菜カレーは評判です。フードプロセッサーでペースト状になった小松菜は、ホウレン草とは異なるシャキシャキした歯応え。具の厚揚げとしめじの食感もカレーといい相性で、後から上品な辛さがじわっときます。
インド風とも和風とも言える独特の味。店主の浅井咲子さんに尋ねると、「知り合いのインド人からカレーのベースを譲ってもらって、日本人に合う味にアレンジしているんですよ」と意外な答えです。葛西エリアにはIT企業に勤めるインド人のコミュニティがあるそう。女子栄養大学を卒業した栄養士でもある浅井さんは、「小麦粉を使わず、スパイスを多用するインドカレーは、インド医学に基づいたヘルシーな食事」と共感したと言います。「上質のスパイスを使って、丁寧に作られたベースがあることを知って、ゼロから自分で作るよりもおいしいベースを使おうと思ったんです」と栄養士らしく合理的。チキンと野菜の2種類のベースを使い分け、10種類ほどのカレーに仕上げています。ターメリック入りのごはんは胚芽精米。白米よりビタミンB1や食物繊維が豊富な胚芽精米と、肝臓などによいターメリックの健康的な組み合わせです。
“ヘルシーな家庭料理とインド風カレー”を掲げる『ヴィオレッタ』は、オープン10年。浅井さんは店を開くまでの25年間、この場所で料理教室を開いていたといいます。「子供のクラスに通っていた小学生や中学生には、江戸川区の管理栄養士になった人もいます。お母さんに連れられて来ていた男の子で、プロの調理師になった人もいますよ」と嬉しそう。
「実は後期高齢者なのよ」と笑いながらひとりで店を切り盛りし、区のサークルでも料理を教えているというからエネルギッシュ。浅井さんが作る一皿に、私たちも元気をもらえそうです。
※記事内容は2015年8月時点のものです
住所 | 〒132-0031 東京都江戸川区松島1-23-6 MAP |
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電話 | 03-3652-1927 |
営業時間 | 11:00~14:00、17:30~21:30(L.O. 20:45) 月曜11:00~14:00 |
定休日 | 火曜定休 |
その他 | アクセス/新小岩駅南口よ り都営バス葛西駅行きまたは西葛西駅 行きで江戸川区役所前下車徒歩5 分 メニュー/江戸川産小松菜カレー820円、 夜のカレーセット1030円~ ※カード不可 |
【エリア担当/tomozo】
いつも優しい笑顔で迎えてくれる浅井さん。疲れた時も、ここのカレーと浅井さんの笑顔で元気が湧いてくるんです。「小松菜カレー」を食べに、日本各地から来店する人もいるほど! 地元の隠れた名店の味、ぜひお試しを