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この町のわたしのスキなひと(葛西)
本田豆富店 本田義雄さん

本田豆富店 本田義雄さん

 葛西駅から5分ほどの新田仲町通りに昔ながらの佇いで営業するのが「本田豆富店」。店主の本田義雄さんが58年前に開業した老舗です。
 千葉県生まれの本田さんは中学卒業後、15歳で江東区にある豆腐店で修業を開始。5年後の20歳で独立、ここ葛西で自分の店を開業しました。人に使われるのが嫌で、自分で商売をしたいと思ったのが理由だそう。店舗兼自宅の2階建ての本田さん宅。20歳の若さで起業し、新築のマイホームを建てたというのは驚きです。「開業当時は、この新田仲町通りも魚屋、肉屋、八百屋、乾物屋、鮨屋などが軒を連ねていて、商店街としてにぎわっていたんですよ」と回想します。ここは、1969年の葛西駅の開業まで、中心街として、地域の生活を支えてきた商店街のひとつ。現在は、マンションなどが立ち並び、風景も一変。残る商店は数店舗のみに。そんな中で、変わらぬ営みを続けているのが本田豆富店です。

本田豆富店 本田義雄さん特集

 豆腐作りは朝の4時頃から。水に漬けてふやかした大豆を、年季の入った大きな釜で約1時間かけて炊きあげ、天然のにがりや塩を加えて固めていきます。豆腐屋が町から消えていく中、昔ながらの素材と製法を守っています。「十数年前までは、近隣の小中学校7校に卸していたので、朝2~3時には作業を始めないと間に合わなかった。真夏はシャツが絞れるほど汗をかくんですよ」と微笑む本田さん。毎日ひとりで行うハードな作業も、育ち盛りの子供たちに、栄養価の高い豆腐を届けたい、という思いが原動力に。

本田豆富店 本田義雄さん特集

 開店の朝8時には、作りたての木綿と絹ごし豆腐のほか油揚げや厚揚げ、がんもが店頭に並びます。箸からこぼれ落ちそうなくらいやわらかく、口の中に入れた途端にとろける絹ごし豆腐は、大豆の甘みや風味が広がります。3人の子供たちや、孫たちも本田さんの作る豆腐以外食べられない、というのも納得です。「やりがいは、手間や時間をかけた分、おいしくなって、お客さんにも喜んでもらえることかな」とぽつり。

本田豆富店 本田義雄さん特集

 店を切り盛りし約60年。葛西の町並みの変貌を見届けながら、毎日早朝からお店の灯りがともります。「重労働の仕事だから78歳の体にはきついよ(笑)。昨年いっぱいで閉店するつもりだったけど、自転車で通ってくれる80代の女性とかね、常連客の顔を思い出すとやめれなくて。お客さんとの会話も元気の源になっているから、体が続く限り、もう少しがんばるかな」

本田豆富店 本田義雄さん

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Data

住所 〒134-0083 東京都江戸川区中葛西5-29-6MAP
電話 03-3680-8927
営業時間 7:00~18:00
定休日 日・祝定休
その他 アクセス/葛西駅より徒歩5分